こんにちは。
国際中医薬膳師の長岡桃白です。

昨年3月に、神奈川県住宅供給公社さんとYADOKARIさんによる「暮らし方リノベーション」の取り組みに応募して、「二宮団地」と都内での生活をスタートしましたが、このたび契約期間を終え7月末で二宮団地を退去しました。

二宮は、都内から電車で1時間ほどで行ける、海と山にかこまれた自然が美しい街です。ゆるやかで居心地のよいコミュニティとそこに集う人々もとても優しく魅力的で、楽しい時間を過ごすことができました。

公社のみなさん、二宮のみなさん、たいへんお世話になりました。


自然が多くてのんびりとした二宮での楽しい暮らしを思い出しながら、自宅のある都内(目黒区)と二宮団地(神奈川)の2拠点居住を体験してよかったこと、困ったことについて書いてみたいと思います。

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これから2拠点居住をお考えの方の参考になれば幸いです。


では、まずはちょっと困ったことのほうから。

  • ゴミをどうしよう問題
わたしはこれが一番困りました。多少ゴミがたまっても平気な性格であればよいのですが、わたしはゴミの日にはどーしてもゴミを出したい派。とくに生ゴミは。

幸い、二宮団地は「燃えるゴミ」が毎日出せるすてきなシステムですが、目黒区は週2回と決まっています。

そのため、ゴミ収集日の前日に二宮に出かけると自宅に長くゴミを置くことになるので躊躇する……ということがたびたびありました。

それよりも、意外と困ったのがペットボトルなどのリサイクルゴミや段ボール。そして、カセットコンロに使うカセットガスの空き缶などの危険物です。

これらは回収日が少なく、タイミングを逃すと次第にたまってしまいます。腐るものではありませんが、けっこうかさばるので「収集日に合わせて都合をつけなければ」とやっぱり考えてしまいます。

2拠点居住は気の向くままにふらりと行ったり来たりというのが理想ですが、暮らしていればゴミは出るというわけで、なかなかむずかしい現実ですね。

  • 宅急便が受け取れない問題
仕事の資料は、もはやネットでのやり取りが当たり前。連絡はメールやLINEなどですべて完結します。

そういう時代だからこそ気軽に2拠点居住が可能になったわけですが、贈答品などはふいに届いたりますし、自分でネットで買い物をしておいて「あっ、今日届くんだった!」ということもしばしば。

クール宅急便だったりするとやはり預けておくのは気になってしまい、荷物を受け取るために予定を切り上げて都内に戻ることもありました。

  • 車があったほうが便利かな問題
交通網が発達した都内では、車は贅沢品。でも郊外では生活必需品になります。

もともと自家用車をお持ちであれば無問題ですが、わたしは免許すら持ってないため、二宮での移動は徒歩もしくは、1時間に1〜2本のバスを待つしかなく、買い物やお出かけには少々難儀しました。お散歩やウオーキングと思えば楽しいんですけどね、お天気が良ければ……。

なので、自家用車を持っているか、賃貸する物件のそばにカーシェアのステーションがあるかどうかといったことは、あんがい重要かなと思います。あるいは坂道が少ないエリアを選び、自転車で行動するか。
郊外は自然豊かで広々としているぶん、スーパーもコンビニも遠いんですよね…。


このような事情で一度に長く滞在するのがなかなかむずかしくて、2泊3日ほどの滞在で都内に帰るといったかんじでした。これだと往復の交通費がかさむので、ほんとは毎回1週間くらいどーんと滞在したかったのですが、そうなるとやはり旅行レベルのスケジュール調整が必要になるというのが実感です。

逆に平日は会社にお勤めの方で、「週末だけ気分転換したい」という方は、わたしが感じたような問題はあまり感じないかもしれません。

むしろ郊外に本宅を構え、都心に平日寝るだけのワンルームマンションを借りるという選択肢もありかもしれません。

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次に「これはすごく良かった!」という点についてお話しします。

  • 気分転換の効果がすごい!
2拠点で暮らしてみて、すごく驚いたのが「居場所が変わると、こんなに気分が変わるのか!」ということです。

長く暮らしていると、気をつけていても家にはものが溢れてしまいますよね。本棚だって、中医学の古典と料理本でぎっしりです。

ところが二宮に来ると、がらんとした白い部屋。

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必要最低限しかものがないお部屋は静謐で、穏やかな時が流れています。とくに夜は静かです。のんびり中国茶を淹れると、その香りの世界に没頭することができました。

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二宮の部屋にはテレビを置かないで、その代わりBluetooth接続の音質の良いちいさなスピーカーを。

極限まで暮らしをそぎ落として、音と香りだけを楽しむ空間。

このお部屋で過ごす時間は、想像以上に気持ちを整え、よい気分転換になりました。これは2拠点居住でわたしが感じた最大のメリットでした。


  • 郊外ならではの新たなことに挑戦できる!
自然あふれる里山で、わたしが挑戦したのは「葛掘り」!

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
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「葛を掘って生薬をつくってみたい」というわたしの密かな夢が叶って、すごくうれしかったのですよ! 都内にいてはなかなかできないことができる、これは二拠点居住の大きなメリットだと思います。

ちょっと出かけるだけで、すばらしい景色に出会えたりもしますしね。

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お弁当を持って行くハイキングも、スケールが大きいです。
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  • 地域の人たちと知り合える!
これは居住するエリアによるかもしれません。二宮は2拠点居住や移住を推進する雰囲気があって、毎月第4土曜日に移住者と地域の人たちが交流する「お食事会議」が開かれています。

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ここでいろんな方々に知り合えたからこそ、葛堀りも薬膳スープの会のイベントも快く手助けしていただけたのです。

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そして、そこで知り合った方から、いろんなイベントにお誘いいただけました。

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発酵茶の会におじゃましたり。
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わたしは人見知りなので、こうした出会いやお誘いがなければ、公社の担当者さんとしか口をきかずにいたかもしれません。

実際、都内では隣の部屋に住む人の顔も知りませんし、地域のお祭りやイベントにだって参加したことがないんですよ。

そうした都内のドライな感じも気楽ですが、せっかくですから、積極的に地域の方々と触れ合ってみるのが楽しいと思います。不思議といろんなイベントにも興味を持つんですよね。いまこの場所を楽しみたいという気持ちが働くのでしょう。

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早朝から魚市に行ってみたりもしました。

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  • [オマケ]移動が得意になる!
これは意外なメリットでしたが、ちいさなスーツケースに必要最低限の荷物を詰め込んで動くのが得意になりました。移動を重ねると、自分にとってなにが必要でなにが必要ではないのか、だんだんわかってくるんですね。

PC とルーター、そしてわずかな着替えだけでわたしは暮らしていける。
お料理だって、フライパンひとつ、鍋ひとつでけっこういろいろつくれますね。食器も平皿とお椀がひとつずつで無問題。

とにかく、ちいさな荷物で動き回れるようになったので、気軽に旅行にでかける回数は増えました。仕事を持ち歩いてどこからでもノートPCで対応することにも慣れたからかもしれません。


以上、ざっとですが、実際にトライしてみて感じた2拠点居住のよいところ、困ったことを書いてみました。

やってみてよかったかどうかというと、やっぱり「良かった」です。それなりに不便があったり、思ったより費用がかさんでも、旅とはまた違う、住まうからこその発見や出会いが2拠点居住にはあると思います。

別荘を構えるように最初からどっしり腰をすえようと思うと、すこし大変かもしれません。だけど気になる地域にとりあえず賃貸住宅を借りて、更新までの2年間、通ってみるのはおすすめです。
それで気に入ったら本格的に腰をすえたり、また新たな土地に物件を借りてみたり。

これからの時代は、そんな自由な生き方が似合うような気がします。