tree01


冬の間枯れていた木々を芽吹かせ花を咲かせる春の「気」は、同じようにわたしたちのからだも「春」に変えていきます。

その季節にとれるもの、旬のものを食べることで、自然の生命力と季節のリズムをからだに取り込みましょう。


春になるとわたしたちのからだでも陽の「気」が高まり、エネルギーが満ち溢れてきます。

陽の「気」はもともと上昇しやすい性質ですから、高まったエネルギーをうまく発散させないと、めまい、のぼせ、ほてり、イライラ、不眠など、上半身の不調を招きます。

そういうときに摂りたいのが、「酸味+甘味」と「苦味」です。
 
中医学では「味」を酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛い味)の5種類に分け、それぞれの味が持つ作用を意識的に使いわけます。

そしてすべての薬食はこの「五味」に振り分けられ、五臓六腑に働きかけます。


春に活発になる肝の気をおさえる「酸味」

000

たとえば、「肝」に入る味は「酸味(さんみ)」。

酸味には「収斂」させる力があり、活発になりすぎた肝の働きを抑えます。

たとえば、春になるとなんとなくお寿司を食べたくなりますよね。
お寿司には、酢だけでなく「甘味」であるお砂糖も入ります。
お砂糖の「甘味」は、酢によって傷みがちな脾(消化器官)を補う作用もあります。

また、「酸甘化陰」といって、酸味と甘味を組み合わせると潤いが生まれます。
春のはじまりの頃はまだ乾燥していますから、お寿司は春によくあう料理といえます。

ただし酸味をとりすぎると、肝気をおさえすぎてしまうのでほどほどに。


「苦味」で下に降ろす


「酸味」のほかに春にとりたいのが「苦味(くみ)」です。

苦味には、「下に降ろす」という作用があります。

日本では昔から春になると苦味の強い山菜やたけのこを食べる習慣がありますが、これは春の陽気とともに上昇した気を「苦味」で降ろす働きをしていると考えられます。
 
「苦味」に分類される食べものはからだを冷やすものが多いので、ほてりやのぼせを鎮めることもできます。


ところで、たけのこの煮物にはたいてい、木の芽が添えられていますよね?

木の芽は「辛味」に分類され、からだを温める作用を持ちます。
からだを冷やしすぎないで旬のものをいただくための、すばらしい知恵だと思います。


※「苦味」のものは、からだを冷やすものが多く、かつ「気を降ろす」作用が強いので、妊娠中は控えてください。